共軸二重円筒形レオメーター ONRH-1型
- 概要
ONRH型レオメーターは、低粘度液体のレオロジー測定に最適な外筒回転型二重円筒方式を採用したレオメーターです。 トルク測定部には、独立行政法人産業技術総合研究所による弾性ヒンジ式軸受けを搭載し、 エアベアリングを使わずに高感度トルク測定を実現しました。エアベアリングを使わないことでクリーンエアの管理が不要になり、 より自由に設置場所が選べるようになりました。それと同時に、メンテナンスの容易さや、サイズ・コスト面でのメリットがあります。 扱い易さと性能の両立を追い求めたレオメーターです。
- 低粘度液体の測定に有利な外筒回転方式
外筒回転方式は、内筒回転方式で生じるテイラー渦が発生しない利点の他に、トルクを測定する内筒が静止しており、 慣性モーメントも小さくできるので、動的粘弾性の測定で高周波数、高感度の測定に有利になります。半球状底面のジオメトリは、 底面での渦の発生を抑制し、内筒下端に泡が残るのを防止し、さらに、試料量を少なくする利点があります。 - ガラス外筒と中空軸モータを用いた外筒上部支持
ONRH型レオメーターの外見上の大きな特徴は、上方から支持されたガラスの外筒を使用していることです。 ガラスの外筒を使うことによって、気泡等の存在を確認でき、測定の信頼性が向上します。外筒を上方から掴む方式は、 外筒の取り付けと内外筒のセットが同時に完了するので、素早い測定開始が可能になります。
- 弾性ヒンジ式軸受け
高感度の電子天秤の基本機構となっている平行バネ機構を取り入れた軸受けが考案されました。これを我々は弾性ヒンジ式 軸受けと呼んでいます。これを使うことで、電子天秤同様の感覚でのトルク測定が可能になりました。 高感度のトルク測定で必須だったエアベアリングを不要とするこの機構により、設置場所の制限が大幅に緩和され、 エアベアリングのメンテナンスの気遣いが不要になり、総合的な経費の削減につながります。 - ボイスコイルモータを使用したトルク測定
ボイスコイルモータの特徴は、発生する力がコイルに流す電流と極めて直線性の 良い比例関係にあり、7桁とダイナミックレンジの広い測定が可能になっています。共軸二重円筒ジオメトリとの組み合わせで、 再現性の非常に高い粘度測定が可能になります。例えば、試料の粘度が長期安定度の指標となる場合、この装置で連続測定 することにより、比較的短い期間で試料の良否を判断できるようになります。 - 基本測定モード1(定常回転系)
定常回転、定常回転自動反転、定常回転の速度を連続的に変化させるヒステリシスモード(いわゆるチキソトロピーモード) - 基本測定モード2(動的測定)
サイン波、矩形波、これらと、定常回転を組み合わせた2つの重畳モード、動的測定的に自動反転定常回転を行う往復モード
仕様
型式 | ONRH-1B | ONRH-1C |
トルクセンサー軸受け | 弾性ヒンジ式 | ← |
最大トルク | 50mNm | ← |
トルク分解能 | 5nNm | ← |
定常回転数範囲 | 0.001〜1000rpm | ← |
せん断速度範囲 | 0.0013〜1300s?1 (標準ジオメトリ使用時) | |
歪み量設定範囲 | 0.01%〜4000%(同上) | ← |
歪み測定分解能 | 0.005%(同上) | 非対応 |
周波数範囲 | 0.001〜10Hz | 0.001〜5Hz |
温度範囲 | 常温用(0〜80℃) | ← |
制御入出力 | USB2.0、マイクロソフトWindows対応 | |
外形寸法 | H 215 ×W 170 ×D 225 mm(本体:測定ジオメトリ部を除く) H 132 ×W 320 ×D 280 mm(コントローラ) | |
電源 | AC100V、 300VA | |
重量(本体) | 約7Kg | 約6.5Kg |